1.疾走速度と接地時間との関係性について 2.接地時間が短いほど、疾走速度が速い 3.接地時間とピッチの関係性について
速く走りたい。陸上選手ならだれもがそれを夢見て日々練習に励んでいると思います。そんな陸上選手の皆さんはこんな悩みを経験したことはありませんか? 「どれだけ練習しても速くならない!」 「前シーズンまでは調子がよかったのに、今期は調子がわるい。」 「スランプからなかなか抜け出せない。」 これらの悩みは陸上に本気で取り組んだことがある人なら誰しも抱えたことがある悩みだと思います。 指導者がうまく教えてくれない。指導者と距離が遠い。指導者がいない環境での練習を強いられている選手の方たちはなおさらそのような悪循環からの脱却は難しくなっているだろうとお察しします、、、 かくいう筆者も大学生時代、全く同じ悩みを抱えていました。しかし、当時指導者がいなかった私の部活では、どう解決したらいいのかわからず、苦しい毎日を送っていました。 しかし、そんな毎日の悩みは「走りの仕組みの要素」を理解し、「練習に活かしていく」ことですぐに解決できるものなんです!もちろん個人差はありますが、、、 今回は、陸上選手の皆さんがだれもが抱えているこのような悩みを解決するような、走りの仕組みの要素について解説していきたいと思います!1.疾走速度と接地時間との関係性について
早速ですがみなさんは接地時間と疾走速度との関係についてご存じでしょうか? これこそが今回私は紹介したかった走りの仕組みの要素なんです! ただの接地時間がそんなに関係あるの!?と思った方もいるでしょう。反対に、そんなことしってるよ!という読者の方々もいらっしゃるかとおもいます。特に後者の方、なぜこの二つの要素に関係性があるのか、しっかりと説明できるでしょうか? この記事では、だれでもわかるように疾走速度と接地時間の関係性について述べていき、練習にどのように活かしていくかについて述べていきたいとおもいます。2.接地時間が短いほど、疾走速度が速い
皆さんは走るとき、「接地時間」というものに意識を傾けたことはあるでしょうか?実は、接地時間の短さと疾走速度には正の相関があるといわれています!この章では、接地時間の関係性について詳しく解説していきます。 では、なぜ接地時間が短くなることと疾走速度が速くなることは相関関係にあるのでしょうか。答えは単純で、「ピッチを速くすることができるから」です! ん?ピッチ?なにそれ?という方もいらっしゃると思うので、ここではストライド×ピッチの概念についておさらいしていきたいと思います。 「ストライド×ピッチ」は疾走速度の計算によく用いられる客観的な事実に基づいた計算指標です。ストライドとは、一歩の歩幅の広さのことを指します。ピッチとは、ある一定の期間でどれだけ足が回転したかという回転数を指します。ここでは単純化するために、1秒あたりの歩数(ピッチ/秒)をピッチとしましょう。 ストライドとピッチという概念は、「疾走速度を算出するための計算指標」として用いられることが多いです。実際に、ストライドとピッチ2つの計算指標を用いれば、一秒間の疾走速度(秒速)を計算することが可能です。例えば、1秒間に5回のピッチで、ストライドが一歩2mだとしましょう。この人は一秒間に、5(ピッチ/秒)×2(ストライド)=10m。つまり秒速10mで走る選手だということができます。 すなわち、ピッチの回数ができるだけ大きく、一歩の歩幅ができるだけ大きければ、それだけ脚が速くなるということです。 この視点をもちながら走りを分析すると面白いことがわかるようになってきます。この視点から、有名選手のタイム別ストライド、ピッチを算出したものが下図になります。 興味深いことに、ほぼすべての選手が、タイムが伸びるときストライドの増加よりもピッチの増加によってタイムが伸びていくことが明らかになっています。(もちろん、ストライド比1.2倍前後のストライドを維持する必要はあります。) つまり、ピッチが高まることでタイムが大幅に伸びるケースが多いということです。 では、ピッチとはどのように上げればいいのか?もちろん、意識して速く回せばいいというわけではありません!足の回転を速くすることを意識しすぎると、走りの動きが小さくなったり、ストライドが縮んでいくことにつながりかねません。 では、どのようにしてピッチを上げていくのか。そこで重要になるのが、接地時間の概念です!3.接地時間とピッチとの関係性について
前章でもお伝えしたように、接地時間が短いとピッチが速くなります。それはなぜでしょうか。そのヒントは、力の大きさの構成要因である、力の強さと力を加える時間にあります。 人は走るとき、ストライドの1.2倍程度のストライドを維持しながらピッチを高めることが重要であることは先ほどお伝えしました。ヒトはこの、一歩進むために必要な力を地面から得ることで一歩一歩前に進んでいます。この力の大きさは、「力の大きさ×力を与える時間」で決定されます。いわゆる「力積」というやつです。(下図を参照) 力積とは、力の強さと力を加える時間の長さを下図のように図示したとき、そこにできる長方形の面積のことを言います。力の面積、そのままですね笑 この面積こそが力の総和であり、体を前に進めるときに必要になるエネルギーとなります。 ではここで、力の面積を変えずに接地時間を短くすると何が起こるでしょうか。下図では横の辺が小さくなり、縦の辺がどんどん大きくなっていきます。そして、仮に100m走るために必要なエネルギーの総和を足していくと、、、 ここで皆さんもお判りですよね。100m走るときの総接地時間がどんどん短くなり、接地にかかる時間が減っていくのです。たしかに一回きりではわずかな差なのかもしれません。しかしながらその差が2倍、3倍、、、10倍となっていくとどうでしょうか。ちりも積もればとは言いますが、まさにじわりじわりと大きな差が開いていくのです。平均的に、高校生以上の男子陸上短距離選手は、100mを50歩前後で走ります。接地時間の差はとても小さいのかもしれませんが、その差が最数的には50倍前後まで広がっていくのです!0.01秒を競う陸上短距離において、接地時間が長引くことはタイムロスと同義です。一歩にかかる時間を短くし、ピッチを高めることができれば、より速く走れることが可能なのです。逆を言えば、自分の調子が悪い、でも原因がわからない!!というときには、接地時間が長引くことによってそれが引き起こされていることが多いです。なぜ接地時間が伸びてしまっているのか、しっかりと冷静になって原因を探ることができれば、スランプからも解放されるかもしれません! まとめ 走りにおいて、滞空時間を長く、接地時間を短く。これが走りの鉄則です!どのような練習においても、このことを常にあたまにおいて練習してみましょう。調子が悪いとき、あなたは常に「接地時間が長い」はずです!では、接地時間を短くするには、どのような取り組みをすればよいのか?このサイトでは、反発と伸展、接地時間の短さにフォーカスし、それを極めるための練習方法をたくさん紹介、解説しています!もっと詳しく知りたい。明日の練習からすぐにでも昨日までの自分と変化をつけたいと思っている方は、是非ほかの記事も読んでみてください!
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