①速く無駄なく走るためには「力を入れるタイミング」が超絶重要
まず、速く走るためには力を入れるタイミングというのが重要になります。そんなことわかってるよと思われる方もいらっしゃると思いますが、改めて認識していただきたい部分です。 それはなぜかと言うと、「速い人ほど接地時間が短い」と言う研究結果があるからです。 データや詳細が気になる方はこちらの記事をご覧ください。 ピッチ×ストライドはウソ!?疾走速度と設置時間との関係性について 記事のグラフから、速い人ほど接地時間が短くなっているのがわかります。世界トップレベルの選手になると接地時間が0.1~0.2秒ほどで接地が終わっています。高い力を速く伝えることで全体的な運動エネルギーが大きくなり、前に進む力のベクトルを高いレベルで維持できると言うことです。 つまり、速く走るようになりたければ、力を出来るだけ素早く加える必要があります。 短い時間で最大の力を発揮するには、大きく分けて2つの要素があると考えています。 1つ目の要因は「筋力」、二つ目は「力を入れるタイミング」です。 まず「筋力」についてです。「筋力」とは、最大出力と瞬発力の2種類で考えていきます。この両方を鍛えることが必要になります。出力だけでなく、瞬発力を高めるトレーニングもしなければいけません。「筋力」についてもより深掘りたいところですが、本題とそれるため今回は深掘りしません。 2つ目の要因は「力を入れるタイミングを知ること」です。こちらの要因の方が、「筋力」よりはるかに重要度が高いと私は考えています。タイミングがわからないまま筋力トレーニングや走りのトレーニングをしても全く効果が出ません。タイミングが分かると、補強やトレーニング、走りの瞬間全てが変わります。 今回はこの「タイミング」について深掘りいていきたいと思います。そして、今回紹介する内容は、ほとんど誰も教えてくれない内容であると思います。今までの「走ること」のイメージと大きく異なってカルチャーショックを受けるかもしれませんが、海外でのトップ選手は皆この”タイミング”ができています。なので是非是非最後まで読んでみてください!それでは行ってみましょう!②誰も教えてくれない!速く走るための「力の入れ方」とは?
力を入れるタイミングについて話す前に、まず速く走るための「力の入れ方」について考えていきたいと思います。 力を加えられる時間が短い「走動作」において、「瞬間的にどれだけ高い力を発揮できるのか?」というのが重要であることを前章で確認しました。それでは、どうしたら瞬間的に高いパワーを発揮することができるよになるのでしょうか?単純にいつも以上に力を入れればいいという話ではありませんし、足で地面を思い切り踏んだり叩いたりすればいいわけでもありません。速く走るために力を発揮するには「溜めフェーズ」と「解放フェーズ」を意識する。
「溜め」と「解放」のタイミングを意識して力を入れることは、走りでもとても重要です。速く走るための「力の入れ方」とは、「力を溜めるフェーズ」と「解き放つフェーズ」の二つのフェーズによって構成されます。陸上でよく使われている言葉に置き換えれば、滞空時間の「溜め」と、接地の瞬間の「反発」です。今回の記事では、走りの中での「力を入れる」を、「力を溜めるフェーズ(滞空時間の溜め)」と「解き放つフェーズ(反発)」の2段階のプロセスからなる動きであると定義して話を進めていきます。
「溜め」は「伸張反射を使うための準備をすること」
人間が最も瞬発力を発揮する方法は「伸張反射」をうまく利用して走ることであるというお話をさせていただきました。「伸張反射」とは、筋肉をストレッチさせることによって、伸ばされたゴムが勢いよく縮むように素早く筋収縮が起こる現象のことを言います。そしてこのサイトでは、この伸張反射をうまく使う技術を「乗り込み」と定義しています。 つまり、ここでいう「溜め」は「伸張反射を最大化させるため」の準備のことを指します。「伸張反射」や「乗り込み」についての記事を読んでいただいていることを前提に話を進めていきますので、以下の記事をまだ読まれていない方は是非読んでください!伸張反射の準備とは?

1.スネを一足分前に出す。
2.膝をげんこつ一個分真上に上げる。
3.腰を地面から垂直方向に真上に上げる。
4.胸を前に突き出す。
5.つま先を反ったまま足首を固定する。
この5つの動作を同時に行うことを「伸張反射ポーズ」と呼んでいます。この5つの動作を同時に行うことで、空中で体をコンパクトにするようなイメージで地面に力を伝える準備をします。この時若干腿裏が張るのを感じてください。 基本は以下の記事に書いてありますので、ぜひ読んでください。(URL)「解放」とは、「腰を前に押し出すこと」
次に解放フェーズの解説をします。解放とは空中の溜めで作った力を、接地の瞬間に上手に伝えて解き放つフェーズです。 この接地の瞬間に重要になるのは、「腰を押し出す」という動作です。 以下の図で詳しく説明していきます。
力を入れるタイミングは?
前の章で、「力を入れる」というアクションは2つのフェーズで行われることを書きました。ここではそれら二つのフェーズを実際に走りの中のどのタイミングで行えばいいのか?という話をします。
溜めるフェーズ

解放するフェーズ

力を抜くフェーズ
解放フェーズが一瞬で終わり、そのあとは空中に浮く時間です。しっかり溜め、解放が出来ている場合、身体が弾みすっと軽くなり滞空時間が伸びます。この間は脚を無理に回す必要はなく、リラックスするフェーズになります。そして脚が最高到達地点を周り落ち始めたら、また「溜めるフェーズ」に入ります。このサイクルをうまく繰り返すことで、一歩に加わる力を最大化することができます。意識する項目はできるだけ少ないほうがいい
ここまでたくさん意識すべきことを書いてきました。とはいえ、走りの中でこれらすべてを意識することはほぼできません。なぜなら、この一回転のサイクルを1回転0.2秒(100m走の場合)で行うことになるからです。私はこれら三つのうちどれか1つだけ意識することをお勧めします。そしてそれら以外のフェーズはすべて無意識に行えるようにドリルや練習で身体に刷り込ませます。特に私が意識していたのは「溜めるフェーズ」です。なぜなら、溜めるフェーズがこのサイクルの一番最初に位置するフェーズだからです。いい準備をすることで、その後のフェーズすべてが自然といい方向に向かいます。 これらのフェーズをそれぞれ無意識に擦り込めるようなドリルを以下の記事で紹介しているので、興味のある方は是非とも読んでください。接地位置前になるし、力入れるタイミングもイメージと違うんだけど、これで合ってるの??
上記の説明を見て、「いやいや待てよ、接地位置前になるし、力入れるタイミングもイメージと違うんだけど、これで合ってるの??」と思った方もいらっしゃると思います。 そこで、その疑問を解消するため、ひとつビデオを作成しました。以下にあるのがその動画です。まずは見てみて下さい。伸張反射を走りの中で使えるようになるドリルその①
力を入れるタイミングがずれてしまっているパターンの解説
ここまで、最も理想的な力の入れ方について話していきました。次は、記録がある一定で伸び悩んでいる選手がやってしまっている失敗例について話していきたいとおもます。ストライドが出ない選手の例



脚が流れてしまうタイプの力配分

<1>最小限の押し込みでも進むという感覚があまりない。
このタイプの選手は、マーカー走などストライドを固定できる練習方法で、押し込む時間を少しずつ少なくしていってもストライドが変わらないという感覚を体に刷り込む練習などをしてみると良いでしょう。<2>溜め動作のスピードが遅い
もう一つ考えられるのがこちらです。ここまで説明しませんでしたが、重要な点を最後に伝えておきます。実は「伸張反射ポーズ」を作るための5つの動作(1.スネを一足分前に出す。2.膝をげんこつ一個分真上に上げる。3.腰を地面から垂直方向に真上に上げる。4.胸を前に突き出す。5.つま先を反ったまま足首を固定する。)のスピードを上げれば上げるほど伸張反射の瞬発力が上がり、押し込まなくても進むようになります。伸張反射のは使えているが接地が長くなる傾向のあるスプリンターは、溜めフェーズのフォームはできているけれどもその動作自体のスピードが遅い選手であると考えられます。 この場合の対処方法は「リラックスする時間を増やす」ことです。脚が自然と落ち、地面に接地しそうになるまで力を抜きます。そして地面につきそうになる直前に高速で伸張反射ポーズの5つの動作をするイメージです(掲載している動画のガトリンの走りをみるとイメージしやすいかもしれません)。あえて接地する直前まで力を抜くことで、接地の直前の一瞬だけで全ての動作を行うイメージが身につきやすくなり、溜め動作のスピードを上げることができます。
すぐにできるタイミング改善の練習
最後に、力を入れるタイミングを改善する練習で最も簡単にできる方法を紹介し、この記事を終わりにしようと思います。「バイクトレーニング」が効果的
最も簡単にできる練習は「バイクトレーニング」です。 パワーマックスという機材を使って自転車トレーニングを行います。
なぜバイクトレーニングが効果的なのか?

バイクトレーニングのコツは?
コツは以下の三点です。1.つま先を上げる。
2.脚が斜め前(時計でいうと3:00〜4:00のいち)から、真下(6:00の位置)の部分で足の軌道が最も早くなるように、鞭のような円運動を意識する。
3.腰の位置を固定する(落ちない、上がらない)。
どのようなセットを組めばいいのか?
タイミングがあっているかあっていないかを確認する練習1
1KP 10秒間 努力度:100% 最もペダルが軽い状態で、10秒間全力で漕ぐ練習です。回転数の最大値を計測します。数値が高いほど良いタイミングで漕げています。タイミングが合う場合、回転が速くなるので回転数の数値が上がります。うまくいかない場合は数値が下がります。 男性用ですが、以下の数値を参考にしてみてください。 最高値 180回転 11.5秒 (100m) 200回転 11.3秒 230回転 11.1秒 240回転 10.9秒 250回転 10.7~8秒 260~回転 ~10.6秒 (あくまで筆者の経験です。目安までに参考にしてみてください)タイミングがあっているかあっていないかを確認する練習2
3kp 20秒 努力度90% レスト1分 少し重いペダルを、少し低い努力度で長時間漕ぐ練習です。こちらは先ほどの練習とは違い、20秒間の回転数の平均値を計測します。平均の回転数が最も高いほどいいタイミングで力を入れられています。タイミングが合う合わないでエネルギー効率が大きく違うので、平均の数値に大きく差が出ます。 こちらのメニューは、具体的な目安の数値がわかるほど多くの選手の数値をみたことがないのでなんとも言えません。しかし、10秒台の選手や、400mで48秒を切るような選手は180~200回転を維持しながら20秒間漕ぎ続けることができます。まとめ
いかがだったでしょうか?本日は力を入れるタイミングについてお話しさせていただきました。 このタイミングというのは、みただけでは分かりづらく、非常に地味な部分になると思います。しかし私は経験上、このタイミングが速くなるための要素の50%を占めていると考えています。非常に重要な部分なので、しっかりと抑えて練習に取り組んでください! ①「力を入れる」という動作には「溜めるフェーズ(準備)」と「解放するフェーズ」の2つの要素がある。 ②「溜めるフェーズ」とは「伸張反射の準備をすること」。準備は脚の回転が時計の1:00から4:00の位置にある時に行う。 ③脚の回転が4:00の位置にある時に地面に設置し「解放するフェーズ」に入る。ここではおへそ、腰を一瞬だけ前に押し出す。 ④脚の回転が6:00~7:00の位置まできたら「解放するフェーズ」が終わる。すぐに力をぬき「リラックスするフェーズ」に入る。 ⑤いかに回転の前半で準備と解放ができるかが大事。
この記事を読んでいただいたことで大きく自己ベストに近づいてくれる方が増えてくれれば幸いです。 次の記事でお会いしましょう!それでは!
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