①導入【危険走りと安全走り】
⑴”危険走り”は肉離れの根源
いきなりですが問題です。どちらの走り方がより肉離れを起こしやすいでしょうか?
⑵
- ・肉離れの仕組み 論文
- ・危険走りと安全走りの仕組み
- ・危険走りと安全走りの解説
- ・まとめ
⑶この記事を読むと良い人
- 肉離れの原因を解決したい人
- 肉離れしにくい走りを会得したい人
- 体に優しい走りをしたい人
②肉離れの仕組み 論文


③危険走りの仕組み 写真&図解とか

動画プレーヤー
国士舘大学大学院スポーツ・システム研究家小林等の研究論文によると 「短距離選手を対象にした結果から、ハムストリングの肉離れ経験者は、遊脚期において下腿の前方への振り出しが大きく、接地期では足が体の前方に接地する傾向にあると報告している」(参照3)と述べています。 これはつまり、足を前に大きく出しすぎて接地位置も体の前に出しすぎると肉るで!ということを示唆しています。 ここで体の前方ってざっくりしすぎててどこやねん!じゃあどこに接地するのがええねん!という疑問が出てくると思います。 それは次の ”安全走りの方法” で見ていきましょう。00:00
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④安全走りの仕組みと方法
肉離れを起こさない理想の安全走り接地の方法は、 ズバリ ”体のほぼ真下” に接地することです。 ※厳密に真下という表現は、走りのフェーズなどで変わってくるため少し違うのですがまずここでは、中間疾走からフィニッシュ局面までのフェーズにおいて真下への接地と考えてください。走りのフェーズで真下の意味が変わる詳細は後述します。 接地を真下にすることで、足を前に出して接地した際よりハムストリングが過度に伸びないため、前述の肉離れの仕組みから考え怪我のリスクがかなり軽減します。 さらに真下に接地することは、お尻の筋肉をより収縮させ地面からの衝撃を受け止める部位がハムストリングからお尻で行えるようになります。 なんと接地位置を真下にするだけで、 ハムストリング 筋肉が緩和し、ハムストリングを引っ張る健側の引っ張りも弱くなり、肉離れの仕組みであったハムと健の綱引きがなくなるのです。 これが安全走りのメカニズムです。 また走りを止める際のブレーキのかけ方にも細心の注意を払う必要があります。 ☆危険な止まり方 こんなブレーキのかけ方をみたことはないでしょうか?動画プレーヤー
いきなり接地足を前に出してブレーキをかけてしまう止まり方です。 これまでの肉離れの仕組みから、この止まり方が危険なのは火を見るより明らかです。 しかし私が現役時代、以外にも多くの選手がこのような止まり方を平気でしている印象でした。 ここで安全走りのメカニズムを応用して、なるべく真下に接地しながらブレーキをかけていく止まり方をしてみましょう。 足を前についてブレーキをかける際は、 足からハムストリングスまでが、つっかえ棒のような役割になり止まっていたところを、真下で接地することで体の中で最も大きい筋肉であるお尻を使ってブレーキをかける事ができ、同じ衝撃でも受け止める筋肉量が違うこともあり怪我のリスクを抑える事ができます。 00:00
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動画プレーヤー
⑵使われている筋肉 もちろん大臀筋(体の中で一番大きなお尻の筋肉) ⑶ポイント ブレーキをかける際、接地位置が前より真下だとブレーキの力は弱くなります。そのためブレーキ力を増すために、足を出す回数を増やしてブレーキをかけていきます。これで安全かつスピードを緩めるブレーキのかけ方ができます。 ぜひ一度行ってみて頂けると幸いです。 少し話は脱線しましたが、 ここまでの話を聞いて、中間疾走からフィニッシュまでの安全な接地の仕方は”真下”でわかったけど、「加速局面」での接地位置は、真下に!と言われて何かしっくりきませんよね?だって加速局面(スタートから体が起きるまで)は体が前のめり(前傾)の状態で走るのにその真下ってどこなん?となりませんか。 体が立って走っている時よりも、顎の下? 腰の下?となってしまい真下という説明だけでは、位置が特定できません。 ここで冒頭で話した”接地位置が真下”という定義が 走りのフェーズなどで変わるため少し違うといった理由です。 では、加速局面(説明上特に)での接地位置はどう説明したらよいでしょうか。 こちらの図をご覧ください 00:00
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⑤まとめ
- 肉離れとはハムストリングスと腱の引っ張り合いでちぎれちゃうこと
- 肉離れの仕組みは、接地位置が前方のため過度に引っ張りあっちゃうこと
- 安全走りは「パワポジションのライン上(仮:真下)に足を接地すること」
- 安全走りの仕組みは、つっかえ棒としてハムを使うよりも筋肉量が多いお尻を使おう
- パワーポジションとは、肩・膝・母指球が一直線に揃い、力が最も発揮しやすい姿勢

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