- ①4スタンス理論とはなんぞや?
- ②走り方には大きく4つのタイプがある -A1 Type -A2 Type -B1 Type -B2 Type
- ③自分にあったスパイクを!
4スタンス理論とはなんぞや?
これは俗に我流と呼ばれる癖を大別した時、見られるものである。 巷では4スタンス理論と呼ばれている。 一般的には「力の入りやすい重心の位置」でタイプ分けされている。 ①A1タイプ 前重心×内側重心 ②A2タイプ 前重心×外側重心 ③B1タイプ 後重心×内側重心 ④B2タイプ 後重心×外側重心 といったもの。 しかし、陸上競技においてずっと後重心×外重心で走っている人っていますかね笑 いないですよね。笑 この記事の前提として、「陸上競技」「走り」において4スタンス理論とは非常に感覚的な理論だと捉えています。 人間の構造的に、足を降り出して地面に着こうとすれば自然と足の外側(小指側)から降りていきますよね。 そして、 足を蹴る(足が地面から離れる)ときには外側(小指側)を最後に地面から離すのって難しいですよね。内側(母指球側)で離れた(蹴った)ほうが自然ですよね。 このように、人間の身体構造上、外側(小指側)から接地して、内側(親指側)へ抜けていく流れは、どんなアスリートでもでも変わりません。 ゴルフ選手、バスケ選手、野球選手関係なく体の構造は同じです。 若干の筋肉のパワーバランスや、骨格のズレ、重心感覚のズレからくるアプローチ方法が微妙に異なっていることを整理したのが、陸上競技における4スタンス理論だと考えています。 よく、「僕は4スタンスで言うとB2にあたるからかかとから接地するんだ!」と発言する選手をよく見かけますが、チョーーーー危険です。 これはもはや嘘レベルの情報です笑。 事実と感覚は分けて捉えたいところですね。 ということで、陸上競技における4スタンス理論とは何なのか解説していきたいとおもいます!!!!
走り方には大きく4つのタイプがある
陸上競技における4スタンス理論(走りの4タイプ)は、「接地のパターンと重心移動のパターン」で整理できます 縦軸は足の接地のパターンを記しています。 つま先接地:前重心(母子球から前) ⇅ フラット接地:後重心(土踏まず付近) 横軸は重心移動のパターンを記しています。 In side in:親指や母子球で接地し、そのまま抜ける ⇄ Out side in:小指や外足から接地し、親指母子球へと抜ける これらのパターンを組み合わせた4つのタイプがこちら!
①つま先内側(前内)A1 Type 〜スタート爆発系スプリンター〜
スタート30mで驚異の走りを魅せる選手の多くがこのタイプ。 言うなれば、「スタートからフルスロットル!アクセル全開型!!」である。
接地時、無意識に上図の部分に体重が乗っているタイプ。 そしてそのまま母子球や親指から地面を離れていく。
体重を前に集め、かつ親指付近一点に乗せるため重心をどんどん拾って行く走り方となる。
このタイプは股関節を最大限伸ばしたダイナミックな走りを得意とするため、30mまでの走りでは他を寄せ付けない。 ランジの形を想像するとわかりやすいが、股関節を伸ばそうとしたら母指球に重心を置くとすぐ伸びる。蹴り込みの形は母指球重心が必須となるので、A1と呼ばれるつま先内側Typeはスタートが得意な傾向が多いのである。 一方で、蹴り込みが得意なだけに足が流れがちな陸上選手はよく見かける。それゆえに後半の伸びがあまり見られないことや下手をすると失速を招く点には注意したい。(コーナーより直線が得意な傾向がある。) 代表的な選手は、 ・ジャスティン ガトリン選手 ・ヨハン・ブレイク選手 ・多田修平選手 などのスプリンターを参考にしてみると良いですよ。②つま先外側(前外)A2 Type 〜乗り込みスマート系スプリンター〜
スタートからゴールまですべて安定して走れるタイプ。 言うなれば「実は私S(ショート)でもM(ミドル)でも、どっちでもイケちゃいます」型。
接地時、無意識に上図の部分(小指球、中指薬指)寄りに体重が乗っているタイプ。 そして親指、母子球へと体重移動しながら地面から離れていく。
重心移動を強みとするので減速が少ないのが特徴。 反発をもらう姿勢、蹴り込む股関節が開く動き、両方ともバランスが取れている。そのため、スタートやらせても加速がスムーズで結構速い、後半の走りも減速が少ない。100m 200m 400mどれをやらせても不自由なく走れるスプリンター。
とりあえず、何でも無難にこなせちゃうんです。 (総合力が高いと言ったほうがいいですね笑) ただ特出した区間がないため、レースの中でどれだけ安定した加速曲線が走れるかが明暗を分けるタイプ。 (コーナー走が得意な傾向がある。) 代表的な選手は、 ・ウサイン ボルト選手 ・タイソン ゲイ選手 ・山縣亮太選手 などのスプリンターを参考にしてみるといいですよ。③フラット内側(後内)B1 Type 〜反発最短接地系スプリンター〜
短い接地と、驚異的な加速力を見せる人の多くはこのタイプ。 言うなれば「ヒーローは遅れてやってくる!!」型。 接地時、無意識に上図の部分(土踏まず付近)に体重が乗っているタイプ。 そして跳ね返すように地面から離れていく。 跳躍競技に関わりがあるような、足裏全体で反発をもらうようなスプリンターの多くに見られるタイプである。 バウンディングが上手い傾向にある。 短い接地から繰り出されるストライドは驚異的。 短い接地を得意とするためスタート直後の押し込みに弱いが、最高速度に達する50m付近ではその設置時間の短さ故に他を圧倒する。 自分の力で蹴り込むよりも、地面からの反発を上手く捉えられるので、長い距離も無難に走れます。 (コーナーより直線の方が得意な傾向にある。) 代表的な選手は、、 ・アサファ・パウエル選手 ・桐生祥秀選手 ・末續慎吾選手 などを参考にすると良いですよ。
④フラット外側(後外)B2 Type 〜推進力バズーカ系スプリンター〜
このタイプは後半のトップスピードがバリ速い。 言うなれば「暴走機関車!トーマス!!」型。 接地時、無意識に上図の部分に体重が乗っているタイプ。 そして内側へと自然に重心移動し、地面から離れる。 このタイプはスタートは接地が長くなりがちで出遅れることもあるでしょう。 しかし、トップスピードは一番速い!フラット外側から繰出される大きな重心移動により、地面に与える力が爆発的に強い。 ストライドと高いピッチを両立する。直線よりもコーナーの方が得意な傾向がある。 代表的な選手は、、、 ・バンニーキルク選手 ・サニブラウン ハキーム選手 ・アリソン フェリックス選手 ・藤光謙司選手 などを参考にすると良いですよ。
自分に合ったスパイクを!
実は、ここに記した4つのタイプそれぞれに合ったスパイクは存在する! ここでランキングに戻って詳細ページを今一度確認して欲しい。 ランキングに戻る そして自分に合ったスパイクを発掘すれば、次の試合への武器になるだろう。 我々は陸上選手それぞれの記録を向上させるべく様々な提案する!! これはその一つに過ぎない。 「陸上競技の4スタンス理論」を読んでいただきありがとうございました!! これからも陸上競技に関するノウハウを発信していきたいと思います。 持続的にサイトを運営していくためにも、皆様のご協力が必要です。 ぜひSNSなどでシェアを何卒よろしくお願いします。 ↓↓↓↓
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それぞれのタイプの代表的なスプリンターは誰ですか?
コメントありがとうございます。
つま先内側タイプは多田修平選手
つま先外側タイプは山縣亮太選手
フラット内側タイプは桐生祥秀選手
フラット外側タイプは藤光謙司選手
などがあげられます。
コメント失礼しますm(_ _)m
ジオサイレンサーや廃盤モデルで恐縮ですが、サイバージャパンはどのタイプに分類されるのでしょうか?
コメントありがとうございます。
サイバージャパンは現サイバーブレードとほぼ同じと考えていいかもしれません。
ですので、前外タイプに分類されます。
・ソールが柔らかく
・角度が深い
・ピン配置なども含めて接地が安定しやすい
などの点から、
つま先×外側 重心から母子球に抜けていく走り方の方におすすめです。
つまり、前外タイプに分類されます。
返信ありがとうございますm(_ _)m
重ねて恐縮ですが、自分はBⅡのタイプだと言われたのですがspブレード以外にオススメのスパイクありましたら教えてください💦
種目やタイムなどにもよりますが、フラット外側タイプの方には
・ナイキJAフライ
(外→内の重心移動がスムーズで、ややフラットめに設計されています。かつジオ系に比べて軽い)
・ジオスプリント
(バランスがよく、どのタイプの方にもおすすめできます。日本人の足に合わせてやや太めですが、接地で力が逃げることは軽減されると思います。)
・その他ジオ系
(ミズノジオシリーズは基本的にややフラットめで、ピン配置等も外側接地から母子球に抜ける構造になっています。)
ありがとうございました!
コメント失礼します。A1タイプ向けのスパイクは他にどのようなものがありますか?
アディダス系列は基本A1タイプに分類されると考えています。
特にアクセレーター、プライムSPはこのタイプに属します。それぞれ特徴の差はありますが、基本的にプライムSPはアクセレーターの上位互換と考えていいと思います。プライムSPは高い反発と軽量性を持ち合わせているので、高い反発技術が必要になると思います。
初めまして。タイプB2の競技者です。
とても興味深い内容で思わず
全ての記事を読ませて頂きました。
主様にぜひ教えて頂きたいことがあります。
スプリントで良いとされる動き
→早歩きからスプリント
どちらかというと遊脚が意識された動きで
スプリントにつなげていくのですが、
ハムストリングスがつかえている感覚で
そんなに力を入れていないのに進む感じがします。
実施後の疲労感もありません。
4スタンス理論にかかれている動き
→B2タイプの動きでスプリント
こちらは軸足意識の動きでスプリントに
つなげていきます。
前腿を使って力強く地面を押して体を進めています。
自分が動きやすいカラダの使い方が出来ます。
ただ、スプリントで良いとされる動きと比べると
加速してからスピード維持の場面で、
重心が勝手に移動している、
という感覚が得られません。
スプリントで良いとされる動きにそって
トレーニングするか、
自分が動きやすいカラダの使い方でトレーニングするか、
迷っています。
ザックリとした感覚表現で分かりづらいとは思いますが
何かアドバイス頂けますと幸いです。
どうぞ、宜しくお願い致します。
コメントありがとうございます。
色々な角度から思考されていて興味深く拝見しました。
何点か気になったポイントを記しますね。
①そもそも「スプリントで良いとされる動き」が果たして正しいのか
早歩きからのスプリント=遊脚意識×ハム使えてる=良いスプリント
という構図ですが、以下のような理解が必要かと思います。
★早歩きの効能
❶接地時間が長い所がスタートになるので、重心移動がわかりやすい
↓
❷重心移動が正しくなると、進行方向ベクトルへの力を生み出す大殿筋が機能します(ハムストリングはあくまでも大臀筋収縮のアシストですが、伸長反射を利用して一気に大臀筋を縮めるようなタイプの方はハムストリングが伸びる感覚があることもあります。)
↓
❸大殿筋が機能すると、進行方向ベクトルへの力が働きピッチストライドともに向上
↓
❹力をいれなくても進み、疲労感はない。
というのがここで言う「スプリントで良いとされる動き」だと考えます。
②4スタンスにかかれているB2タイプについて
「前腿を使って力強く地面を押して体を進めています。」
とありますが、これは接地時間を長くする感覚ですので、接地時間を短くする必要のある中間疾走以降の走りには合わないような気はします。(感覚論なので断定はできないですが)
B2タイプの時点で接地の入りの重心が外側フラットの部分にあるので、内側前重心になりにくい特性はあります。
それを踏まえると、前腿で押す感覚は自然に重心が前になる動きと予想できるので、苦手な動きを克服できているという意味で「動きやすい」という感覚になっているのだと思います。
③結論
以上を踏まえると、KECHA○MARUさんのおっしゃる「スプリントで良いとされる動き」の方を肯定します。
本質的にはKECHA○MARUさんのおっしゃる「スプリントで良いとされる動き」がB2の理想の動きとマッチします。
例えば末続選手などはB2なのでなんばの動きを取り入れたりしています。
*重要なのは重心の流れの順序であって、人間の人体構造上、最終的にはどのタイプも母子球に抜けることになります。早歩きによって、重心が母子球に抜けていく感覚を徹底すると格段にタイムが変わってくると思います。(トレーニングとしては、早歩き、クリーンで重心移動の感覚を養うことをおすすめします。)
あと追加で申し訳ありません。
サニブラウン選手は何タイプでしょうか??
宜しくお願い致します。
B2タイプだと考えています。
サニブラウン選手の特徴は
❶足の振り出しに重心が乗っていく
❷上半身と下半身のツイスト的な動き
です。
まず❶からBであることがわかります。
フラット側から接地するイメージのあるBタイプは足の振り出しが先行し、そこから母子球に乗っていくという重心移動を行います。
次に❷からB2であることがわかります。
ツイストの動きによって外側から内側に重心が移動し、股関節の外旋と内旋が大きくなっていることがわかるためB2という結論になります。
走りを見ていないのでわかりかねますが、KECHA○MARUさんはサニブラウン選手を参考にすると意識しやすいかもしれませんね。
ご多忙のところ、丁寧なご回答ありがとうございます!
スプリントで良いとされる動き
→自身が良い感覚で走れた動き、とお伝えすれば
良かったです泣
勘違いしてしまい上記のような表現になってしまいました。大変申し訳ありません。
早歩きにより重心移動が正しく行われているのは
大臀筋が機能し、進行方向にベクトルが向くためなんですね。意識の外でしたので全く気付きませんでした。
前腿を使う走り=地面を押す体の使い方をしている=接地時間が長くなるということですね?!
たしかに100のスタートでしっかり押せていても中間から後半、足が流れてしまう傾向があったので押す動きをいつまでもしていることが原因で起こることだと分かりました。ありがとうございます。
じつはまだまだ教えた頂きたいことがあるのですが
お時間がある時で構いませんので(ご返信が面倒臭いとのことでしたら切って頂いて大丈夫です。)
ご回答頂けると幸いです。
①サニブラウン選手の動き
足を降り出す動きがBタイプになるとお聞きしました。
私の中でB2タイプの身体意識とは
体の表側の首の付け根、腰、足首(というか裏?)を揃えたものが軸となり
右肩から左腰、左肩から右腰と体幹に✖️印のラインを
意識し、稼動部となるメインのみぞおち、サブの肘、膝を積極的に動かすことで本来の自分の使い方となる‥
そのような認識でいます。
そこから考えるB2タイプの走りは
主様がおっしゃるように上半身と下半身のツイスト的な動き➕接地時は重心が後ろにあるため、踵からつま先に重心を送る動作として押すという動きが入ってくる?(遊脚を使う動作では重心が移動しづらい?)➕腕を前から後ろに振ることでリード足を出し接地準備‥
分かりづらいですね、すいません。。
B2が動きやすい軸を作りながら、稼働部を積極的に動かしてツイストしながら後ろ足で重心を押す!
というシンプルな感覚です。ちなみにこの感覚では振り出した足には一切、体重といいますか、重心がのっていくという感覚はありません。全て後ろ足で押し出すという感覚です。
この意識ではなく、A1のように遊脚を降り出し、前足にのっていくという意識がB2タイプにも必要なのでしょうか?
それとも降り出す動きがB2タイプとしての正解なのでしょうか?
②なんば走り
※私の理解が浅く、このような質問をしてしまい申し訳ありません。
末續選手のお話がありましたが、
パラレルタイプではなくクロスタイプの方が
なんばに向いているということですか?
長文申し訳ありません!
気分が向いた時で構いませんので!
宜しくお願い致します!
正直走りを見せていただければ一発でアドバイスできるとは思います、、、
が、気づいたことをまとめさせていただきます。
①一般的な4スタンス理論は事実を述べているだけ
一つ大きく前提が異なっていると感じたのが以下です。
「4スタンス理論の4つのタイプは走り方が違うわけではありません。」
厳密に言えば、物理法則に従って、速い人はみんな同じ走りをしています。
ただ、微妙な骨格や筋肉によって生じる重心のズレのタイプを分類し、それぞれに適した感覚的アプローチを示したのが4スタンス理論だと考えます。
ですので、B2タイプだからツイストをしなきゃいけない、パラレルだからなんばの動きが合うなどの答えは正直ないと思っています。
結果的にツイストをしていた、結果的になんばの動きをしていた、といった表現が本来あるべき動きになります。
②意識すべきは何か?
KECHA○MARUさんはよく勉強されていて、その動きを全て体現しようとしすぎな感じが伝わってきます。
実際に走りの効果に繋がる動きは体の末端ではなく、中枢にあります。
ですので、肘、みぞおち、膝など意識する場所が分散するため、本当に大事な骨盤姿勢や重心が抜け落ちている可能性が高いと思います。
そのため、後半の足の流れや失速につながっていることが考えられます。
結論としては、まず走りの基本を押さえることをおすすめします。(4スタンスはあくまで促進要因、感覚論なので)
正しい骨盤姿勢(丹田×大殿筋が締まる状態)×正しい重心(確実の母子球へ抜けること)
の2つをまずは徹底し、どんな感覚がその2つを促進させるのかの参考に4スタンスを用いるくらいが良いと思います。
*走りを見ていないので言葉の表現などから推測をしています。僕のTwitterに動画を送っていただければ確実にアドバイスできるとは思います。(@SuperMario110H)
いつも明快な回答ありがとうございます!
温かいお心遣いに感謝しております。。
では今度の練習動画をTwitterに送らせて頂きます。
是非、アドバイス宜しくお願い致します!
ぜひぜひ!
ご無沙汰してます。
以前お世話になりましたKECHA○MARUです。
ツイッターに何回か送ろうとしたんですが
コメント、動画を打ち込んでいる最中に消えてしまいます。ツイッターに登録していないと送れないのでしょうか?
このサイトには動画を送ることはできないのでしょうか?
ご連絡ありがとうございます。
Twitterはアカウントないと厳しいですね、、、。
これを気にLINE@を開設しました。
↓↓
http://nav.cx/dB0mdm6
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こちらに送ってみてください。
はじめまして、宮本大輔選手はどのタイプか知りたいです
ご連絡ありがとうございます!
厳密にはわかりませんが、Aのつま先側に重心感覚はありそうです。
1なのか2なのかは非常に微妙なところですが走りは1寄りに見えます。