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Surprised man looking through a magnifying glass

オールウェザー(タータン)と土。:陸上に及ぼすグラウンドパワー

陸上とタータン

憶えていますか?? 初めてタータンで走った時のことを。 うぉっ!!めっちゃ速く走れる!! たのしー、速く走れるようになるのええやん! enjoy_runnning そして現在・・・ 陸上におけるタータンとは、当たり前の足場。こんなイメージじゃないでしょうか? 中学か高校のとき、もしくはその両方の3年間をタータンの上で駆け抜けた方も多いのではないでしょうか? もしかしたら、大学4年間を含む青春全てをタータンの上で過ごした方もいると思います。 この記事ではタータンの特徴や能力、加えてその危険性などを他のグラウンドと比較し明らかにしていきたいと思います。Surprised man looking through a magnifying glass

タータンの特徴

そもそもタータンとは、全天候型とか、そのまま英語にしてオールウェザーとか言われたりしますが、要は合成ゴムのグラウンドです。 しかし、一口に合成ゴムのグラウンドと言っても様々な種類のタータンが存在します。 高速タータンとか皆さんも聞いたことがあると思います。何が違うのでしょうか? まぁ当たり前に素材が違うんです。 例えば、皆さんの中には競技場が混んでる日にしょうがないから外側の緑色の部分でアップしてしまおうとか思う人いませんか? 意識したことはないかもしれませんが、あそこも走路とは違う種類のタータンになっています。 ※例えば緑色の部分の構成要素です。 そして、赤い部分(走路)のタータンの構成です。 上の図から分かるように、緑(画像1)と赤(画像2)で素材の厚さだけでなく種類の数(層の数)も違います。 これは、同じように見える赤いタータンでも違います。 また、難しいのが使用状況によって同じ方式で作られているタータンでも違うことです。 1つずつ違う競技場の使用感を憶えているのは非常に大変ですよね。 筆者も現役の時、あの競技場どんなタータンだったけ?ってなりました。 →→→→→→(Coming soon:競技場検索サイト) 今後になりますが、タータンの使用感やレーン特徴など検索できるサイトを作成中です!!!乞うご期待。 話を戻しまして、今回は、数あるタータンの中から先行研究内で実験に使われた、トップエースCE方式(画像2)のタータンを前提として話していきます。

他のグラウンドとタータン比較

では、やっと本題に入っていきます。 タータンで走っていますが、実際タータンってどんな地面(グラウンド)なんでしょうか。 練習に適しているのでしょうか?? 様々なグラウンド状況と比較して評価していきます!! 明日の練習場は果たして競技場のままで良いのでしょうか??????? 尚、今回比較するにあたって先行研究の実験結果を拝借します。 実験を簡単に説明しますと、各グラウンドに対して約5kgの重りを50cmの高さから落としその衝撃を測定しています。 ついでに、それぞれのグラウンドvsタータンで載せている図の縦軸(Ia,m・s^-2)について説明しますこの縦軸は何を表しているかと言うと、”衝撃の強さ”を示しています。 例えば、こんにゃくの壁にぶつかった時の衝撃(ぶつかったことによって帰ってくる被ダメージ)を10とします。 次に、ガラスにぶつかったとしましょう。この場合、衝撃は50くらいではないでしょうか?少なくとも、こんにゃくにぶつかった時よりも痛いと感じるはずです。これは、ガラスにぶつかった時の衝撃の強さがこんにゃくより大きからです。 と言うわけで、今回は、喩えにあるように”衝撃の強さ”にフォーカスして評価していきたいと思います。 衝撃が大きい=足への負荷が大きいグラウンドが私たちアスリートにとって敵なので、負けとします。

Round1.タータンvs土

お待たせしました。 では、第1回戦、タータンvs土です。 art trackと言うのは、タータンの競技場のことで、 clay trackとは土の競技場を意味します。 大体タータンが35で、土が20くらいだと言うことが見てとれます。 勝敗は、土の勝ちです。(見方によったらタータンの勝ちです。) 20<35ですから、土の方が衝撃が弱く、足へのダメージは弱いことがわかります。

Round2.タータンvsアスファルト

続いて、第2回戦、タータンvsアスファルトです。 圧倒的に、タータンの勝ちです。 fineとは、目の細かいアスファルトを意味し、反対にroughは粗いアスファルトを意味します。 つまり、綺麗に車輪が転がる(スケボーがしやすい)方をfine、転んで怪我したらめっちゃ痛そうな方をroughとイメージしてください。 タータンは35、粗いアスファルトは40で、細かい方は何とタータンの2倍の70!! 坂練習やったことがある人は震えているのではないでしょうか。 衝撃強すぎますね、しかも下り坂ともなれば速度も上がり衝撃の足への負担は計りしれません。

Round3.タータンvs天然芝

続きまして、第3回戦はタータンvs天然芝です。 すぐに分かったと思います。natural trufは天然芝を表しています。 衝撃も20無く、タータンの半分といったところです。 ここまで何度も出てきていますが、衝撃が弱いと言うことは、足への負担が小さいと言うことです。アップやダウンでジョギングする際などに、足への負担を軽減し、本練習や疲労取りに効果的なグラウンドと言えるのではないでしょうか。  

Round4.タータンvs人工芝

満を持して、第4回戦はタータンvs人工芝です。 そうです。art turfは人工芝です。 そして、見たままですが、一番衝撃が小さい=足への負担が小さいグラウンドは人工芝なんです。つまり、今回出てきたグラウンド 中では優勝になります。 人工芝さん、おめでとうございます。 補足しておくと、今回の人工芝さんは、LP-65Cといいます。LPはLong Pileの略で、つまり長め(65mm)の人工芝ということになります。 3回戦の天然芝もそうですが、芝は他のグラウンドに比べて面では無く線の集合で足と接触します。これにより線同士が重なり、間に空気の層が作られ、クッション性が生まれます。これによりタータンを含む他のグラウンドよりも衝撃を吸収し結果、優勝となりました。 また、とんでもなく余談ですが、今回は天然芝vs人工芝のサブ対決は科学の勝利となりました。本当に余談です。タータン関係ないですし。  

まとめ

今回、知ったことをまとめます。

各グラウンドからの衝撃の強さは、
  • アスファルト>タータン>土>天然芝>人工芝
 
の順であり、意外とタータンは衝撃が強い。 練習する際は、練習の意味を考えるのが1番大事ですが、その練習効果を最大にするためにもグラウンドからの衝撃力の大きさも考え走りましょう。 特に、長距離を走っている皆さん。今回の結果を受け止め、舗装路ばっかり走って足に衝撃を与え続けるのを考え直してみてはどうでしょう。 足への負担は、同義ではないにしても、グランドからの衝撃と相関があります。 タータンではアスファルトの半分の衝撃。 芝ではタータンのまた半分の衝撃です。 短距離の皆さんをはじめとして、盲目的にタータンの上で練習し続けるのでは無く、練習内容に即したグラウンドで練習し、大きな成果を手にしましょう!!! 【参考】 今回記事を書くにあたり参考にしました。 http://www.oku.co.jp/hosou/all_weather/hosou02.html http://libir-bw.bss.ac.jp/jspui/bitstream/10693/135/1/びわこ成蹊紀要3号_071-078青木.pdf

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